
異文化交流、多文化共生、国際理解などを目的とした平和学、国家間の政治経済などを分析する国際関係論、そして日本の政策・立法過程に関するさまざまな研究をしている秋元大輔先生。
「具体的には、人工知能(AI )を安全保障に応用したAI兵器の国際規制、燃やした時に二酸化炭素を発生しない水素エネルギーの国際サプライチェーン構築、グローバルヘルス(国際保健)とポリオ根絶のための国際協力などについての研究を行っています」最近は、千葉市や他大学との産学官連携プロジェクトに参画。千葉市に住む外国人留学生に関する調査・研究を進めているほか、6年間のオーストラリア留学経験や前任校での国際交流業務の経験を活かし、外国人留学生の担当をしている。
秋元先生の授業内容はどのようなものだろうか。留学生の履修者が多い「知識創造の方法」では、「歴代アメリカ大統領のスピーチを題材に、アメリカ大統領の演説がいかに世界を変えたのか、当時の歴史や国際関係についても解説しています。特に、アメリカ大統領選挙に着目し、候補者の陣営に分けて書いてみる、といったアクティブ・ラーニングを実践しています」と秋元先生。
このほかにも、メディア論に関する文献や学説を学んだ上で、政治・経済・社会・国際問題など様々なテーマについて、メディアがどのように報道・放映しているかという観点から授業を行う「マスメディア論」もある。
「この講義では、マンガ・アニメ・ジェンダー・アイドルといった大衆文化(ポップ・カルチャー)についても取り上げており、マンガとメディアの関係については、『鬼滅の刃』がなぜ大ヒットし、社会現象とまで呼ばれるようになったのか、メディア論的な視点から分析しています」さらに、メディアとジェンダーの関係についての授業もあるという。
「『ディズニー・プリンセス』とジェンダー観の変容について、古典的名作である『白雪姫』や『シンデレラ』から、最近の人気作品『塔の上のラプンツェル』や『アナと雪の女王』まで殆どの作品を題材にしています」と話す。
「メディアが環境や平和問題をどう報道してきたのかについては、ジブリ映画を題材に講義をしています。ちなみに、拙著『ジブリアニメから学ぶ:宮崎駿の平和論』(小学館新書)では、『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『紅の豚』『ハウルの動く城』『風立ちぬ』を分析しています。アイドル・メディア論の視点からは、メディアなしには存在することが難しいアイドルという存在について考えつつ、アイドルグループの変遷、SNS時代のアイドルと推し活、Kポップの影響から地下アイドルまで幅広く分析を行っています」また秋元先生は、学生たちの卒業後の進路も後押ししている。就職活動の際に役に立つ「ニュース時事能力検定」などの資格取得を促し、論説記事などを書く練習をする「ジャーナリズム論」の授業のほか、メディア文化研究室では、主にメディア・文化産業であるマスコミ業界(テレビ・広告・出版・新聞)やコンテンツ業界(アニメ・マンガ・ゲーム・音楽などへの就職活動の支援も行っている。「メディア文化研究室は、東京情報大学の中でも文系科目を研究対象としているため、ポップカルチャーなど、特に関心のある研究テーマを見つけ、研究を深めることができます」と話す。